岐阜大学には、日本語・日本文化を専攻する留学生を対象とした、約1年間の研修コースがあります。 受け入れ要件の一つが日本語能力試験N2相当以上のため、通称「日研生」と呼ばれる学生は他の留学生と比較すると際立って日本語ができます。
ちなみに日本語能力試験N2には、次のような出題があります。
①このカメラはデザインも性能もすぐれている。
下線部分の正しい漢字はどれか? (超れて、恵れて、秀れて、優れて)
②田中さんは単なる友人です。
意味が最も近いものは次のどれか? (大切な、一生の、ただの、唯一の)
かなりの日本語能力と日本文化への理解を持っている学生達なので、友好協会では彼らを市内の中学校へ出向いてもらい交流授業をやっていただくことを企画しました。 異文化理解と交流を兼ねた出前授業です。
毎回数名の学生を招いたのですが、それぞれの出身国について中学生向けのプレゼンテーションを行い、また中学校が要望したテーマがあれば・・・例えば環境問題についてディスカッションをしました。 また生徒が日本文化や地域の文化を紹介することもありました。
中学生達はそれぞれのグループで事前学習をもとに自然や福祉、環境などの質問をしたり、相手国に対する知識やイメージが現実と違うことに驚いたり、留学生の日本での失敗談に笑ったり楽しく異文化交流をしました。
留学生達は、母国のプレゼンテーションを行う機会を初めて得て、改めて自分の国の歴史や文化を学ぶことの大切さに気づいたと話していました。 また、ホームステイすることで、大学の授業では得られないより深い日本文化と家庭生活、そして、日本人の心に触れる貴重な体験ができたようです。
日研生たちの感想文を読むと、自国のプレゼンテーションに緊張したこと。 交流が楽しかったこと。 歓迎のコーラスにいたく感動したこと。 授業教科や部活動に驚いたこと。ホームステイ先での温かいおもてなしが忘れられない思い出になったこと。 郡上八幡の街や郡上の自然に対する感慨がつづられています。
しかしここ数年は、残念ながら他の事業との絡みもあり実施されていません。